豊胸手術と発癌性との関係について

豊胸手術をすると発癌性が高まるか!?の疑問に答える

以前から、豊胸手術と発癌性との関係はよく取り上げられてきましたが、実際のところはどうなのでしょうか。シリコンバッグを挿入すると発癌性が高くなるというのは、シリコンバッグが開発されてから疑問視され、1992年には、安全確認のためいったん使用中止となりました。しかし、2006年には発癌との因果関係は否定され、再び豊胸手術の要となったのです。

乳がんというのは、そもそも乳腺組織から発生するものなので、結論から言うと、シリコンバッグを挿入したからといって、発癌性が高まるということはないでしょう。しかし、異物を入れているわけですから、炎症や拘縮などのリスクも大きく、それが全く乳がん発生と関係ないとは言い切れないかもしれません。

例えば、2011年12月に、ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)社製のシリコンバッグが破れ、炎症や発癌の恐れがあるとして、フランスが摘出を勧告するという事件がありました。この会社は2010年に倒産していますが、医療用ではなく工業用のシリコンを使用したバッグを大量に販売していたのです。日本にも輸出されていたことで、不安に感じた方もいらっしゃるでしょう。フランス政府は摘出費用に保険を適用させるなどの対応をし、除去勧告をしました。そして同社創始者であるジャンクロード・マス容疑者は国際手配され、ほどなく拘束されました。

こうした事実があると、体内で破損し、中身が流出した場合、乳腺組織への影響が全く無いとは言い切れませんが、通常はFDA(アメリカ食品医薬品局)認可の医療用シリコンを使用しているので、その他のリスクは考えられても、まず発癌性においては大丈夫だといえるでしょう。それでも豊胸手術の経験者に乳がん発生が高いとすれば、それは早期発見が遅れるためではないかとされています。

現在、乳がんの早期発見に最も効果のある検査はマンモグラフィーですが、人口バッグを挿入すると、変形や破損の恐れから、受ける事は出来ません。乳がん検診は主に触診と超音波のみになります。マンモグラフィーほどの精密さがないため、初期の乳がんが見落とされる場合もあるのです。

脂肪注入による豊胸手術をした場合であればマンモグラフィーでの検査は可能ですが、脂肪腫や石灰化した部分が乳がんと識別されにくく、診断の妨げになったり、誤診されたりといった問題があります。いずれの場合にせよ、乳がん検診が通常よりは正確に出来ないというのが事実なのです。

また、このような検査を受ける際には、豊胸手術を受けていることを申告しなければならず、バレるのが嫌だという気持ちから、どうしても検査が億劫になり、怠ってしまう方もいるでしょう。こういった問題が、豊胸手術と発癌性に関係しているのかもしれません。

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